かつて寝台特急「ブルートレイン」として走った寝台車を保存し、宿泊施設として活用している小坂鉄道レールパーク(秋田県小坂町)の「ブルートレインあけぼの」が、5年ぶりに営業を再開した。

 コロナ禍や車両の老朽化で休止していたが、車両の塗装を一新。5月から毎週土曜日を中心に宿泊客を受け入れている。

 ブルートレインあけぼのは、1970~2014年に上野駅(東京)と秋田・青森方面を結んだ寝台特急「あけぼの」の車両を町が買い取ったもので、宿泊施設として活用している。寝台車の内装や設備は、当時のまま。電源車も備え、パーク敷地内で宿泊者限定の動くブルートレインの乗車体験も人気だ。

 ところが、コロナ禍で20年からは営業休止を余儀なくされた。塗装がはがれたり雨漏りしたりするなど、車両の老朽化も目立ったため、町がクラウドファンディングで修繕費用の一部を賄うことにした。目標額の350万円に対し、昨年10月から3カ月間で607万9千円の寄付が集まった。

 4月下旬から宿泊の受け付けを再開すると、予約が殺到した。レールパークの鈴木二朗園長は「再開への励ましや問い合わせをたくさんいただいた。塗装を一新してピカピカの状態になったが、枕や毛布、カーテンなどの内装は昔のままなので、当時を懐かしみ、楽しんでもらいたい」と話す。

 営業は10月までを予定し、土曜日などの計30日間。宿泊料金はA寝台個室(定員2人)が7千円(税込み)、B寝台個室(定員1人)は4500円(税込み)。食事は提供しない。問い合わせや予約は、専用電話0186・29・3890へ。(滝沢隆史)

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