【NQNニューヨーク=横内理恵】8日の米株式市場でダウ工業株30種平均は6日続伸した。前日比172ドル13セント(0.44%)高の3万9056ドル39セントと、約1カ月ぶりに3万9000ドル台を回復した。ダウ平均の6日続伸は9連騰した昨年12月中旬以来。米連邦準備理事会(FRB)の利下げ開始時期を巡る不透明感が後退しており、引き続き投資家心理の支えとなった。
前週の米連邦公開市場委員会(FOMC)や4月の米雇用統計を受け、FRBが年内に利下げを開始するとの観測が強まっている。ダウ平均は4月に2000ドル近く下げており、短期的な戻りを見込んだ買いが続いた。
景気敏感株やディフェンシブ株の一角が買われ、ダウ平均を押し上げた。足元の相場上昇に乗り遅れまいとする投資家からの買いが入り、引けにかけて上げ幅を拡大した。
一方、ダウ平均は前日までの5営業日で1000ドルあまり上昇しており、持ち高調整や利益確定の売りで下げる場面もあった。半導体や消費関連株の一角が売られ、相場の上値を抑えた。
FRBの利下げ開始は米景気やインフレ動向次第で、金融政策を巡る不透明感は残る。ボストン連銀のコリンズ総裁は8日、最近の経済指標を受けてインフレ目標達成に「想定していたよりも時間がかかると考えている」と述べた。
ダウ平均の構成銘柄ではアムジェンやボーイング、JPモルガン・チェースが上げた。一方、4〜6月期の売上高が従来予想の中央値以下になるとの見通しを公表したインテルは下落した。ホーム・デポやウォルマートも安い。
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は続落した。前日比29.799ポイント(0.18%)安の1万6302.756で終えた。運転支援機能について米当局が調査を始めると伝わったテスラが売られた。エヌビディアも小幅安で終えた。
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