中国の習近平国家主席は、フランスに続き、7日、セルビアの首都ベオグラードに到着しました。

7日は、25年前の1999年、ベオグラードにあった旧ユーゴスラビアの中国大使館がアメリカを主体とするNATO=北大西洋条約機構軍によって誤って爆撃された日にあたります。

習主席は、この日にあわせてセルビアのメディアに「このときを忘れてはならない。歴史的な悲劇は決して繰り返させない」と寄稿し、中国を抑え込もうとするアメリカに対抗する姿勢をにじませました。

また習主席は8日には、セルビアのブチッチ大統領と会談し、貿易や人的交流の拡大に向けて、両国関係をいっそう強化していくとした共同声明に署名しました。

会談のあとの会見で、習主席は、独立を巡って対立する旧ユーゴスラビアのセルビアとコソボをめぐり、セルビアの立場を支持する姿勢を示したのに対し、ブチッチ大統領は「台湾は中国の一部だ」とする中国の立場を支持しました。

ヨーロッパでは、経済や安全保障上の観点から中国に対する警戒感が出る中、習主席としては、友好国のセルビアを重視する姿勢を示し、ヨーロッパの連携にくさびを打ち込むねらいもあるとみられます。

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