【NQNニューヨーク=稲場三奈】25日の米株式市場でダウ工業株30種平均は5日続落し、前日比259ドル96セント安の4万2114ドル40セント(速報値)で終えた。米長期金利が上昇し、株式相場の重荷となった。一方、米経済の底堅さや大型ハイテク企業の好業績への期待を背景にした買いが相場を支えた。

25日の米債券市場で長期金利が4.2%台半ばまで上昇する場面があった。金利の上昇で、株式の相対的な割高感を意識した売りが出やすかった。ダウ平均の構成銘柄では、マクドナルドが一時3%安となり、指数を押し下げた。同社の商品による大腸菌の集団感染を巡り、米疾病対策センター(CDC)は24日までに75人の感染が報告されたと25日に発表。感染者の増加を嫌気した売りが出た。

もっとも、買いが優勢となる場面もあった。朝発表の9月の米耐久財受注額は前月比で0.8%減と、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(1.0%減)ほど減らなかった。変動の大きい輸送関連を除くと0.4%増だった。

ミシガン大学が公表した10月の米消費者態度指数(確報値)は70.5と市場予想(69.0)や9月(70.1)を上回った。市場では、「米経済の底堅さが改めて意識され、株買いの追い風となった」(インガルズ・アンド・スナイダーのティモシー・グリスキー氏)との声が聞かれた。

来週に四半期決算を発表する大型ハイテク株には、好決算を期待した先回りの買いが入った。ダウ平均の構成銘柄ではマイクロソフトやアップル、アマゾン・ドット・コムが上昇した。そのほかではダウやゴールドマン・サックス、トラベラーズなどが下げた。一方、ユナイテッドヘルス・グループとアムジェンは上昇した。

ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は続伸し、前日比103.120ポイント高の1万8518.606(速報値)で終えた。前日に大幅高となったテスラには買いが続いた。

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