アメリカで政治資金を分析している非営利団体「オープンシークレッツ」によりますと、アメリカ大統領選挙と同時に実施される連邦議会議員選挙で使われる選挙費用の合計は少なくとも159億ドル、日本円でおよそ2兆4000億円に上るという試算を公表しました。

これは前回2020年の選挙の151億ドルを上回り、過去最高になる見通しだということです。

ハリス氏、トランプ氏の両陣営ともに資金の多くをメディア戦略に投じていて、このうちハリス氏側の支出先にはSNSのインフルエンサーを活用した宣伝を手がける企業も含まれ、手法も多様化していることが見て取れます。

一方、献金元では両陣営ともに金融・保険・不動産業界からの献金額が最も多く、このほかの業種ではハリス氏側はITや通信、エンターテインメント、ヘルスケア関係、トランプ氏側は運輸、エネルギー・資源関係や農業、建設関係の業界からの献金が目立っています。

資金集めに大きく影響する大富豪からの寄付では、ハリス氏ではマイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏や、動画配信大手のネットフリックスの創業者などの名が、トランプ氏では実業家のイーロン・マスク氏などが取り沙汰されています。

選挙費用の分析

広告を分析するアメリカの調査会社「アドインパクト」の試算では、2024年のアメリカ大統領選挙と連邦議会議員選挙などでの選挙広告に使われる費用の合計はおよそ107億ドル、日本円で1兆6000億円余りに上り、過去最高になると予測しています。

このうち大統領選挙では選挙広告の8割以上が激戦州とされる7つの州で使われる見通しだということです。

また広告の内容の分析では、ハリス副大統領の陣営は税金、健康、住宅、中絶の権利、犯罪をめぐる訴えを取り上げ、一方のトランプ前大統領はインフレ、経済、住宅、移民、犯罪について多く取り上げているということです。

IT大手メタが運営する政治広告の検索サイトでは、ハリス氏の広告では若者による呼びかけや、母親とのエピソードなど家族や中間層を意識した内容が、また、トランプ氏の広告では銃撃事件のシーンなどを使って力強さをアピールする内容が並んでいます。

陣営の資金集めに大きく影響しているのが、実業家など大富豪からの寄付です。

「オープンシークレッツ」の分析では、選挙資金全体の50%が献金元の上位1%からの献金です。

ハリス氏への献金元ではマイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏や、動画配信大手のネットフリックスの創業者リード・ヘイスティングス氏、大手情報サービス創業者のマイケル・ブルームバーグ氏が大口献金者として報じられるなどしています。

トランプ氏では米銀行創業家出身のティモシー・メロン氏や、実業家のイーロン・マスク氏、それに投資ファンドのトップなどの名が報じられるなどしています。

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