ウクライナのゼレンスキー大統領は25日、シルスキー総司令官からの報告だとして、ロシアに派遣されている北朝鮮の兵士が早ければ今月27日から28日にも戦闘地域に展開する見通しだとSNSで明らかにしました。

その上で「北朝鮮が戦闘に参加した場合、目を背けるのではなくロシアと北朝鮮に対して具体的な圧力をかけるべきだ」と述べ、国際社会が厳しい対応をとるべきだと訴えました。

一方、プーチン大統領は国営テレビとのインタビューで、北朝鮮との軍事協力について「われわれの主権のもとで判断する。私たちの問題だ」と述べ、これ以上の言及を避けました。

ただ、プーチン大統領は24日の記者会見では北朝鮮の兵士の派遣について否定はしていません。

また、北朝鮮の国営メディアは25日夜、外務次官の発言を伝え、「仮に海外メディアが騒いでいるようなことがあるのならば、それは国際法の規範に則した行動だろう」と主張して北朝鮮の兵士の派遣について事実関係の確認を避けましたが、否定はしませんでした。

ウクライナ国防省の情報総局は24日、北朝鮮軍のおよそ1万2000人がロシアに入り、兵士などはロシア極東の軍事施設で訓練を受けているとの見方を示していて、北朝鮮の部隊が前線に投入されれば、事態がさらに悪化することが懸念されます。

韓国 NATOなどに政府代表団を派遣へ 北朝鮮の動向説明で

北朝鮮の兵士がロシアに派遣されているという情報をめぐり、韓国政府は、政府代表団を来週初めにベルギーに派遣し、NATO=北大西洋条約機構やEU=ヨーロッパ連合に対し、韓国政府が把握している北朝鮮の動向を説明すると発表しました。

これは、韓国の情報機関、国家情報院が25日明らかにしました。

政府代表団は、国家情報院のほか、国防省や外務省などの高官らで構成されるとしています。

ユン・ソンニョル(尹錫悦)大統領とNATOのルッテ事務総長は今月21日に行った電話会談で情報を共有していくことで一致し、今回の代表団の派遣はこの電話会談の結果を受けた対応だということです。

代表団は訪問中、NATOの理事会で説明するほか、NATOやEUの高官と面会するとしています。

ユン大統領は24日、「われわれは殺傷能力のある兵器を直接供与しないという原則を持っていたが、北の活動いかんによっては、より柔軟に検討していく」と述べ、北朝鮮をけん制していました。

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