アームとクアルコムは半導体設計の契約を巡り対立している

【シリコンバレー=清水孝輔】ソフトバンクグループ(SBG)傘下の英半導体設計大手アームが米クアルコムに対し、半導体設計のライセンス契約を解消すると伝えたことが22日わかった。複数の米欧メディアが報じた。両社は2022年から契約を巡って法廷闘争を続けており、対立が事業面にも影響し始めた。

米ブルームバーグ通信によると、アームはクアルコムに対してライセンス契約の解消を通知した。60日間の猶予期間を設けた。クアルコムはこの契約に基づいてアームの回路設計図を使い、半導体をつくっている。契約解消に至れば経営に打撃となる恐れがある。

アームは日本経済新聞の問い合わせに「ノーコメント」としている。クアルコムからは回答を得られていない。

アームは22年にクアルコムを契約違反と商標権侵害で提訴した。クアルコムが買収した半導体新興の米ヌビアが持つアームのライセンスについて、同社の許可を得ずにクアルコムに移転しようとしたと訴えた。両社はその後、係争を抱えながらも協力関係を続けてきた。

クアルコムはスマートフォン向け半導体に強みを持つ。米グーグルの基本ソフト(OS)「アンドロイド」を搭載するスマホに中核半導体「スナップドラゴン」を供給している。アームとの契約が解消されれば、スマホ市場の混乱を招く可能性がある。

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