ヨルダンのアブドラ国王(24日、国連本部)=国連提供

【ニューヨーク=佐藤璃子】国連総会では24日、世界各国の首脳による一般討論演説が始まった。パレスチナ自治区ガザ情勢を巡り、中東各国の首脳によるイスラエル批判が相次いだ。ヨルダンのアブドラ国王は「ガザで繰り広げられているテロは前代未聞の規模であり、いかなる正当化も許されない」と訴えた。

中東諸国はイスラエルとイスラム組織ハマスの衝突が始まって以来、イスラエルを非難し即時停戦を求めている。24日、米国のバイデン大統領の次に登壇したトルコのエルドアン大統領はイスラエルがガザを「世界最大の女性と子供たちの墓地に変えた」と強調した。

同氏は米国などイスラエルを支持する国に対して「虐殺を見て見ぬふりをするという恥を、一体いつまで背負い続けるつもりだろうか」と非難。即時停戦の重要性を改めて訴えた。

ガザ情勢に対応する安全保障理事会への不満の声も多くあがった。ガザの停戦交渉の仲介国となっているカタールのタミム首長は「残念ながら安保理はガザでの停戦を実行できておらず、パレスチナの正式な国連加盟についても見送ったままだ」と述べた。

安保理は6月、イスラエルとハマスに新たな停戦案の履行を求める決議を採択したが、決議が履行されずに犠牲者は増え続けている。

安保理常任理事国でイスラエルを後ろ盾となっている米国は4月、拒否権を行使してパレスチナの国連加盟を国連総会に勧告する決議案を否決。その後総会は安保理にパレスチナ加盟の再検討を求め、国連での同国の権利拡大を認める決議を採択したが、正式加盟には至っていない。

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