【NQNニューヨーク=戸部実華】24日の米株式市場でダウ工業株30種平均は4日続伸して始まった。午前9時35分現在は前日比73ドル64セント高の4万2198ドル29セントと、前日更新した過去最高値を上回って推移している。米連邦準備理事会(FRB)による利下げが米経済を支えるとの見方が引き続き株買いを後押ししている。一方、ダウ平均は連日で最高値を更新しており、主力株には利益確定の売りも出やすく、下落に転じる場面もある。
FRBは前週の米連邦公開市場委員会(FOMC)で通常の倍となる0.5%の利下げを決めた。今後も雇用や経済の急速な悪化を防ぐために利下げの継続に前向きとの観測が投資家心理を支えている。24日は中国当局が追加の金融緩和や株式・不動産市場の支援策を相次いで発表した。アジアや欧州の主要な株式相場が上昇し、米国株への買いにつながった面もある。
中国企業の米国預託証券(ADR)の値動きを示す米ナスダックのゴールデン・ドラゴン・チャイナ指数は米東部時間午前11時時点で前日比6%高程度で推移している。
もっとも、上値は限られている。ダウ平均は前日まで3営業日連続で最高値を更新した。上昇傾向が続くなか、過熱感や高値警戒感が意識されやすい面もある。前週のFOMCで0.25%の利下げを支持したボウマンFRB理事は24日の講演で、インフレが政策目標の2%を上回ったままであることなどを背景に利下げ開始時は「より慎重なアプローチ」が好ましかったとの考えを示した。
個別銘柄ではキャタピラーやダウの上げが目立つ。アナリストが投資判断を引き上げたセールスフォースも高い。半面、ビザは売られている。米司法省が米国のデビットカード市場を違法に独占したとみて提訴する方針と伝わった。アムジェンやボーイングも安い。
ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は続伸して始まった。多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数は前日に更新した最高値(5718)を上回って推移している。
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