ロシアの核兵器を監視するため、スイスのジュネーブを拠点に活動する研究者グループ「ロシア核戦力プロジェクト」は23日、ロシア北西部のプレセツクにある実験場で、ロシアが複数の核弾頭を搭載できる新型のICBM=大陸間弾道ミサイル「サルマト」の発射実験に失敗したとする分析を発表しました。

それによりますと、21日に撮影された衛星画像を調べたところ、発射実験は19日に行われたとみられ、発射施設に深刻な損傷が確認されたということです。

また、火災が1日以上続いたほか、ミサイルの燃料を抜き取る作業を行った際に、爆発が起きた可能性もあると指摘しています。

研究者グループのポドビク代表は24日、NHKの電話取材に対し「実験の失敗によって『サルマト』の開発や配備の計画に遅れが生じるのは間違いないが、ロシアは、そもそも『核大国』なので、ロシアの核戦力そのものに大きな影響は与えない」と述べました。

ロシアのプーチン大統領は「サルマト」の発射実験におととし4月、成功したと発表した際「あらゆるミサイル防衛を突破することができる。わが国を脅かそうとする者に、考えを改めさせるだろう」と述べ、その威力を誇示することでウクライナへの軍事侵攻で対立する欧米を強くけん制していました。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。