イスラエル軍は13日、ガザ地区南部のハンユニスに激しい空爆を行い、ガザ地区の保健当局はこの空爆でこれまでに少なくとも90人が死亡し、300人がけがをしたと発表しました。

この空爆についてイスラエルのネタニヤフ首相は、13日夜、会見を開き、イスラム組織ハマスの軍事部門であるカッサム旅団のムハンマド・デイフ司令官らの殺害をねらったものだとしつつ、「いまのところ彼らの生死について確証は得られていない」と述べています。

一方、ハマス側は声明で、空爆は避難してきた住民、8万人以上が密集する地域で行われたとした上で、「ハマスの指導者をねらったというのは住民の虐殺を隠蔽するための虚偽の主張だ」と非難しています。

イスラエルとハマスの間では、カタールなどを仲介に停戦や人質の解放に向けた交渉が行われていますが、ハマスは「イスラエルが戦争を継続しようとしていることは明らかだ」と強く反発していて、難航している交渉の行方が一段と危ぶまれる事態となっています。

カタール 空爆を強く非難する声明を発表

イスラエルとイスラム組織ハマスとの間の停戦と人質の解放に向けた交渉の仲介を行うカタールの外務省は13日、イスラエルによる空爆を強く非難する声明を発表しました。

声明では「イスラエル軍が、ハンユニスにある避難民のテントを標的とした恐ろしい攻撃を行い、非武装の数百人もの死傷者が出ていることを最も強いことばで非難する」として、こうした状況を止め、パレスチナ人を保護するために国際社会が直ちに行動する必要があるなどとしています。

さらに「パレスチナ人の血を無視し、既成事実を押しつけ国際法で保障されたパレスチナ人の権利を剥奪しようとするたび重なる試みは、二国家解決を目指す国際的な努力を損ない、この地域の暴力の連鎖を拡大させ、国際的な平和と安全を脅かすことになると警告する」としています。

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