【ニューヨーク=弓真名】米製薬大手のファイザーは9日、呼吸器合胞体ウイルス(RSV)感染症向けのワクチンについて、すでに使用が承認されている60歳以上と同等の効果が、重症化するリスクの高い60歳未満の成人に対しても確認できたと発表した。同社は今後、規制当局に臨床試験の結果を提出し、承認を待つ。
せきやくしゃみで伝染するRSウイルスは、肺などの呼吸器に影響を及ぼす。特に乳幼児や高齢者、ぜんそくや糖尿病などの基礎疾患を持つ成人にとって重篤な疾患を引き起こす原因になる。
ファイザーのRSウイルスワクチン「アブリスボ」は、米国や欧州、日本などで60歳以上の成人や、妊婦を対象に承認されているが、基礎疾患によって重症化リスクの高い60歳未満の成人にはまだ承認が下りていない。
同社は重症化リスクの高い18〜59歳の成人を対象に臨床試験を行い、60歳以上の場合と同等の忍容性(被験者が薬の副作用に耐えられる程度)と免疫反応が確認できたと報告した。
ワクチンの対象年齢拡大を狙うのはファイザーだけではない。英製薬大手のグラクソ・スミスクライン(GSK)は、ファイザーに先んじて50〜59歳の成人向けに、RSウイルスワクチンの承認を米食品医薬品局(FDA)に申請した。
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