米東部ボルティモア港の橋に衝突したコンテナ船=ロイター

【ヒューストン=花房良祐】米東部ボルティモア港の橋の崩落事故を受け、米国の石炭輸出が大きく減少する見通しとなった。米エネルギー情報局(EIA)は9日、4月の輸出量が従来予想より33%減、5月が同20%減となりそうだと発表した。橋の崩落で全米2位の石炭輸出を誇る港の出荷が大幅に制限されたため。製鉄に使用する原料炭は日本への輸出が多く、影響を受けそうだ。

2024年の石炭輸出は事故前に前年比1%増と予測していたが、同6%減に下方修正した。EIAは「米国の石炭輸出は晩夏か秋の初めにかけて回復するとみているが、不透明性が極めて高い」とコメントした。

ボルティモア港は23年に米国の石炭輸出の28%を占め、全米で2番目に多い。製鉄に使用する原料炭は23年、800万ショートトン超を輸出した。国別では日本が同港からの輸出のうち28%を占めて最多だった。中国とブラジル向けが続いた。

石炭火力発電所などで消費する燃料炭は23年に約1900万ショートトンを輸出した。インド向けが大半を占めた。

同港を巡っては3月下旬、コンテナ船が港の橋梁に衝突して機能停止に陥った。

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