パレスチナ自治区ガザの保健省は12日、イスラエル軍の攻撃による死者が3万5千人を超えたと発表した。ガザで救護活動を担う当局は、推定1万人の遺体ががれきの下に埋まっていることを明らかにした。米CNNが伝えた。同軍はガザの最南部ラファに加えて北部でも地上作戦を展開し、さらに犠牲が拡大するおそれが強まっている。

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 保健省によると、12日現在の死者数は3万5034人で、負傷者数は7万8755人に上る。死者数が3万人に達したのは2月末で、それから2カ月余りの間に約5千人が死亡した計算になる。

 国連も2日、現地当局の情報をもとに、1万人以上ががれきの下に埋まっているとの見立てを発表。遺体の収容に最大で3年かかるとの見通しを示した。現地では気温が上がりつつあり、遺体の腐敗が進むおそれがあるほか、遺体を媒介とした病気の拡大につながる可能性もあるとしている。

 イスラエル軍の12日の発表によると、同軍は最南部ラファの東部で作戦を続けているほか、北部ジャバリヤでも地上作戦を開始した。「(イスラム組織)ハマスがインフラや工作員を再結集させる試み」に関する情報に基づいた措置だという。

 イスラエル軍は同じ北部のガザ市ゼイトゥン地区でもハマス側との戦闘を続けているほか、12日にはガザ全域の150カ所を対象に空爆を行ったとしている。(佐藤達弥、エルサレム=今泉奏)

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