兵機海運は15日、外航海運事業を展開する富洋海運(大阪市)の子会社、堂島汽船(大阪市)が10月18日に表明した兵機海運に対するTOB(株式公開買い付け)について、反対意見を表明した。社外取締役などで構成する特別委員会や取締役会で、「企業価値の向上に資するものではない」と結論づけたとしている。
兵機海運は10月30日、TOBに対する意見を留保すると発表していた。堂島汽船に対する質問を同日に公開し、11月6日に堂島汽船から回答を受け取り検討していた。兵機海運は富洋海運が決算公告を行っていないことから「実態が明らかでない」とし、労働組合からも反対の意思が示されたという。
富洋海運は10月18日時点で兵機海運の株式を1万4千株(約1%)保有しており、堂島汽船は同100株を持つ。堂島汽船と富洋海運あわせて20%を下回る範囲で可能な限り多く所有し、兵機海運との早期の資本・業務提携に向けた発言力を強化することを目的としている。TOB期間は11月29日までで、買い付け価格は1株3250円。兵機海運の発行済み株式数の2割弱に当たる21万3300株を買い付け予定数の上限としている。
兵機海運は15日に発表したTOBへの反対意見の資料のなかで、今年4月に富洋海運から、同社に対して第三者割当増資を実施することなどを柱とする資本業務提携の提案を受けていたことを明らかにした。5月に富洋海運側と面談したが、シナジーが見込めないと判断して、資本業務提携をしないことを取締役会で決議し、6月に富洋海運に回答していたという。
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