南海電鉄は関西空港―難波間の輸送力を増強する

南海電気鉄道は13日、12月21日からダイヤを改正すると発表した。特急ラピートは停車駅が少ない「ラピートα(アルファ)」を大幅増便するほか、空港急行の車両数と本数を増やす。訪日外国人(インバウンド)需要の回復に加え、2025年国際博覧会(大阪・関西万博)の開幕をひかえることから、難波―関西空港間の輸送力を増強する。

ラピートαは堺駅と岸和田駅に停車せず、両駅にも停車する「ラピートβ(ベータ)」より難波―関西空港間を約2分早く結ぶ。ラピートの合計本数は現在の上下66本を維持したまま、ラピートαを現在の平日11本、土日7本から、いずれも31本に増やす。

6両編成と8両編成で運行する空港急行では、平日は8両編成を現在の100本から118本に増やすほか、全体の本数も3本増やす。土日は8両編成を97本から113本に増やし、全体の本数は1本増やす。

その他の路線でもダイヤを見直し、高野線では汐見橋駅と岸里玉出駅を出る最終列車を繰り上げる。

南海電鉄によると、空港線(りんくうタウン―関西空港間)の24年4〜9月の輸送人員は同期最高の923万4000人となった。このうちラピートは197万1903人で、平均乗車率は65.3%と、新型コロナウイルスの影響が出る前の水準に回復した。25年3月期の通期でも、空港線全体の利用は1869万1000人と過去最高を見込む。

南海電鉄では万博を前に、訪日客増に備えた設備投資を進める。難波駅2階の中央改札口では、混雑解消を目的に改装を進めている。21年に導入した公共交通機関向けのクレジットカードのタッチ決済サービス「stera transit(ステラトランジット)」は、24年度中にはほぼ全駅で導入を完了するという。

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