中部電力は13日、浜岡原子力発電所(静岡県御前崎市)の防潮堤の高さを現状の海抜22メートルから28メートルにかさ上げする方針を原子力規制委員会に伝えた。南海トラフ地震で想定される津波の高さの見直しを踏まえ、再稼働をめざす原発の敷地が津波で浸水しないように対策を強化する。
同社は3月に、従来22.7メートルと見込んでいた南海トラフの津波の高さを25.2メートルに見直した。規制委は10月にこの想定を「おおむね妥当」と判断。中部電力は再稼働に必要な対策として防潮堤のかさ上げを検討していた。
工事では防潮堤上部の4メートル分を取り壊し、新たに10メートル分を作り直す。強度を確保するため、防潮堤の構造の強化や地盤改良なども行う。かさ上げに伴う設備投資額や工事期間は未定。
浜岡原発の防潮堤は2011年の東日本大震災を受けて建設され、12年に完成した当初の高さは18メートルだった。全長は約1.6キロメートル。その後、想定される津波の高さが19メートルに再設定されたのを受け、15年末に22メートルにかさ上げされた経緯がある。
中部電力は同日、浜岡原発3、4号機の再稼働に必要なプラント審査を並行して行うよう規制委に申請した。3、4号機は構造が共通する部分が多く、審査を効率化する狙いがある。
林欣吾社長は記者団に「再稼働に必要な審査はステップアップした。あくまでも通過点であり、再稼働時期を言える段階にはない」と述べた。
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