国費を財源とした農業信用基金協会への貸付金が毎年過大になっているとして、会計検査院は26日、農林水産省に対し、必要額を上回る分の国庫返納や貸し付け規模の見直しなど改善を要求した。使用見込みのない額は2022年度末時点で約218億7300万円と試算。同省は2012年にも、同様の指摘を受けて123億円余を返納している。

◆会計検査院、国庫返納と規模見直し要求

農林水産省

 同省は農業者らへの債務保証の原資として独立行政法人農林漁業信用基金に出資。01年度に出資は終わっているが、同基金は出資金のほぼ全額を、各都道府県にある47の農業信用基金協会に毎年貸し付けている。農業者が各協会に債務保証を申し込んでおくと、返済できなくなった時、協会側が貸付金で農協などの融資機関に弁済する仕組みとなっている。  会計検査院によると、22年度末までに全47協会へ貸し付けた金額の残高計367億5350万円のうち、218億7376万円が弁済など使用見込みが無いまま残されている。農業者と農地の減少などで弁済が減ったことなどが理由。  検査院は「各協会の財務状況に応じた適切な出資規模となるよう見直しが必要」と指摘。改善要求ではこのほか、貸付金や、原資となる出資金の規模見直しを適時実施できる体制の整備などを求めた。(高田みのり) 

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