長野県は26日、2026年4月の導入を目指す「観光振興税(仮称)」(いわゆる「宿泊税」)の骨子を公開した。定額制で1人1泊あたり300円とし、今後独自で課税する市町村については県の税額を150円とする。宿泊料金が素泊まり3000円未満の場合は徴収せず、修学旅行などの学校行事も課税を免除する。年間で45億円程度の税収を想定する。
同日の定例記者会見で阿部守一知事は他地域でも宿泊税の導入が進んでいるのを念頭に「税を徴収するのが目的でなく、観光地としての質を高めなくては多くの人やリピーターに来てもらうことは難しくなる」と説明した。早ければ11月の県議会に条例案を提出する予定だ。
年1600万〜1800万泊という長野県の宿泊客のボリュームや観光コンテンツの充実や観光客の受け入れ環境整備などの県として取り組むべき事業に必要な費用を踏まえ税額を固めた。
定額制とした理由について県担当者は「宿泊者、事業者にとっても分かりやすい」と説明する。目玉である市町村への配分は、使途の自由度が高い「一般交付金」と県の施策に沿った「重点交付金」の2段階での交付を検討する。
都道府県単位では東京都と大阪府、福岡県が宿泊税を導入している。他にも北海道や宮城県、広島県などで導入に向けた動きがある。導入済みの3都府県はいずれも定額制で、東京都は宿泊料金が1万円以上1万5000円未満の場合は1泊100円、1万5000円以上の場合は200円を徴収している。
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