会見する三洋化成工業の樋口社長(14日、京都市)

三洋化成工業が14日発表した2024年3月期の連結決算は、最終損益が85億円の赤字(前の期は56億円の黒字)だった。紙おむつなどに使う高吸水性樹脂(SAP)事業から撤退するため構造改革費用を計上した。記者会見した樋口章憲社長は「汎用的な商品は中国勢などに押されており、独自性のある製品を育成する」と話した。

売上高は9%減の1595億円、営業利益は40%減の48億円だった。SAPなどを含む生活・健康セグメントは事業別の売上高が前期比20%減の458億円、営業損益が14億円の赤字(前の期は2300万円の黒字)と苦戦した。樋口社長は「中国勢の生産能力過剰などで今後も事業の赤字が続く見通しとなったため撤退を判断した」と話した。

25年3月期は後半から半導体などの市況が持ち直し、関連産業で使われる帯電防止剤などが成長すると見込む。一方でSAP撤退に関する構造改革費用などの計上が続く。売上高は9%減の1450億円、最終損益は25億円の黒字と、黒字転換を見込む。

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