【ロサンゼルス=共同】米司法省は8日、大リーグ、ドジャースの大谷翔平選手(29)の元通訳、水原一平被告(39)が同選手の口座から約1700万ドル(約26億4400万円)を盗み不正送金したとする銀行詐欺や虚偽の納税申告の罪を認め、司法取引に応じたと発表した。連邦地検は刑の軽減を申し入れる。

水原元通訳は14日、罪状認否のためロサンゼルスの連邦地裁に出廷する。

最大刑期は禁錮33年だが、米国の法律専門記者は司法取引によって禁錮7〜9年ほどの刑となる可能性があるとの見方を示した。司法取引の条件では大谷選手に最大で被害額全額を返済することや、追徴課税分として最大約114万ドルを支払うことも確認した。

連邦地検によると、元通訳は2021年11月ごろから24年3月ごろ、違法スポーツ賭博で抱えた借金返済のため、大谷選手の口座から賭博の胴元側に不正に約1659万ドルを送金した。地検は8日、元通訳が22年の課税所得を約13万ドルと税務当局に報告し、大谷選手の口座から得た410万ドルが未申告だったとして虚偽の納税申告の罪にも問われると明らかにした。

連邦地検は、大谷選手は送金を知らず、許可もしていないとして、被害者だと強調している。送金のために元通訳が大谷選手を装って銀行に電話したのは25回ほどに上ったと明らかにした。野球カードの購入費約32万ドルや、歯の治療費約6万ドルも大谷選手の口座から支払ったとしている。

米メディアによると、米国籍を持っていない元通訳は日本に強制送還される可能性がある。元通訳は4月12日、身柄を拘束されて裁判所に初出廷した。大谷選手や胴元との接触禁止やパスポートの提出、ギャンブル依存症の治療を受けることなどの条件を受け入れ、同日保釈された。

罪状認否は当初、9日の予定だったが、連邦地検と弁護側が罪状認否前に追加手続きを踏む必要があるとして日程変更を連邦地裁に求めていた。

元通訳は違法賭博問題の発覚を受けて3月に球団を解雇された。

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