平成11年11月13日、名古屋市西区稲生町のアパートで主婦の高羽奈美子さん(当時32)が何者かに刃物で刺されて殺害されました。
警察に寄せられた情報はおよそ900件に上り、これまでに延べ9万8000人の捜査員が投入されましたが、未解決のまま、13日で25年となりました。
13日は奈美子さんの夫の高羽悟さん(68)や警察官など30人ほどが、西区の商業施設でチラシを配って情報提供を呼びかけました。
これまでの警察の捜査で、現場近くで目撃された事件に関わったとみられる女は、現在60歳から70歳ぐらい、身長1メートル60センチほどで、靴のサイズが24センチ、血液型はB型で、奈美子さんを襲った際に手にけがをしたとみられることなどが分かっています。
この事件は犯人逮捕につながる情報提供をした人に、最高で300万円の「捜査特別報奨金」と呼ばれる懸賞金が支払われることになっています。
情報提供は、愛知県西警察署の捜査本部、電話番号「052-531-0110」で受け付けています。
高羽さんは「犯人を捕まえたという報告が一刻も早くできるように、情報が1件でも多く集まるよう、取り組んでいきたい」と話していました。
被害女性の夫 当時の体験を捜査員に伝える活動続ける
事件のあとに警察官になった若い捜査員が増える中、夫の高羽悟さんは、当時の体験を捜査員に伝える活動を続けています。
先月下旬、高羽さんは事件の捜査本部が置かれている愛知県西警察署の捜査員を、現場となったアパートの部屋に招きました。
高羽さんは、今は別の場所で暮らしていますが、いつか犯人をこの現場に立ち会わせ、妻がなぜ殺害されたのか真実を明らかにしたいと、25年間、家賃を払って部屋を借り続けてきました。
部屋には家族写真など、奈美子さんとの思い出が今も残されています。
現場を訪れた中には、事件当時はまだ警察官になっていなかった20代から30代の若手の捜査員もいて、高羽さんは現場を肌で感じてもらおうと、奈美子さんが倒れていた位置や、犯人が血で汚れた手を洗ったとみられる洗面台、玄関に残された犯人の血痕や靴の跡などについて説明していました。
そのおよそ1週間後には西警察署を訪れ、刑事課だけでなく、交通課や交番勤務など、さまざまな部門の警察官に、事件当時の心境などを語りました。
事件のあとに警察官になった署員が全体のおよそ8割を占める中、25年前の事件に実感を持って向き合ってもらうため、今も鮮明に残る記憶を伝えていました。
高羽さんの話を聞いた27歳の捜査員は、「25年前に発生した事件ですが現場に行ったらほとんど当時のまま、家具などが残されていたので驚きました。被害者の無念や残された遺族のやるせない気持ちを知ることができ、引き続き事件の解決に向けて全力で努力しなければいけないと感じました」と話していました。
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