【ワシントン時事】20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議は米ワシントンで24日(日本時間25日)、共同声明を採択して閉幕した。声明は「世界経済は強靱(きょうじん)さを保つ一方、高い不確実性の中でいくつかの下振れリスクが高まっている」と指摘。戦争や激化する紛争、農産品などの価格急騰のほか、経済的分断をリスクに挙げ、「保護主義に抵抗する」と強調した。

来月5日に迫る米大統領選で、共和党候補のトランプ前大統領が世界各国からの輸入品に関税を一律に課す公約を掲げるなど、主要国間の摩擦激化への警戒感が高まる中、国際ルールに基づく多国間主義の重要性を改めて訴えた。

世界経済に関しては、「ソフトランディング(軟着陸)に良い見通しを持っている」との認識を示す一方で、金融市場の急激な変動への懸念も表明。再び円安・ドル高が進んでいる為替相場に関し「過度な変動や無秩序な動きは経済・金融に悪影響を与え得る」とする従来のG20の認識を再確認した。

加藤勝信財務相は閉幕後に記者会見し、会議では「足元では為替市場など金融市場の変動が高い状況が続いている」と指摘した上で「過度な変動に注意を払う必要がある」と訴えたと明かした。

20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議後に記者会見する加藤勝信財務相(右)と植田和男日銀総裁=24日、米ワシントン

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