国土交通省や自治体が実施した緊急輸送道路上の橋の耐震化工事のうち、約6割で優先度が考慮されず、地震時に損傷の恐れがある橋が後回しにされるなど問題があったことが23日、会計検査院の調査で分かった。また、4県2市を抽出して調べたところ、地震で落下の恐れがある橋が354あったことも判明した。

 災害で緊急輸送道路上の橋が損傷すれば復旧に数カ月を要し、被災地まで救助や物資が届かない恐れがある。検査院は今年1月の能登半島地震直後に道路が寸断した事態も踏まえ、国交省が優先順位の決定方針を作成し、自治体に周知するよう求めた。

 検査院は、2021~22年度に国道事務所や自治体など44の事業主体が実施した計260の橋の工事を検査。うち154では、別の橋の方が災害時に損傷するリスクが高いなどの実態があった。

 また、青森、岩手、長野、山口4県と横浜市、浜松市で、災害時に落下する恐れのある橋が計354確認された。

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