長野県塩尻市の自宅兼事務所で2021年に妻を殺害したとして、殺人罪に問われた元長野県議の丸山大輔被告(50)の裁判員裁判の初公判が16日、長野地裁であった。丸山被告は「妻を殺害したのは私ではありません」と無罪を主張した。

 起訴状などによると、丸山被告は21年9月29日午前1時44分ごろ~同3時4分ごろ、自身が経営する酒造会社の事務所兼自宅で、妻の希美(のぞみ)さん(当時47)を何らかの手段で窒息死させたとされる。

 検察側は冒頭陳述で、防犯カメラの映像などから、丸山被告が28日深夜に長野市内の議員用宿舎から60㌔以上離れた塩尻市内の自宅に車で移動し、妻を殺害したと主張した。動機については別の女性との交際関係を指摘。妻の実家に約4千万円の借金があり、選挙の応援も受けていたため離婚できず、交際相手との関係を続けるために「存在が邪魔になった妻を第三者の犯行に見せかけて殺害した」と訴えた。

 弁護側は、丸山被告は事件当時、議員用宿舎にいて「アリバイがある」と反論した。防犯カメラに映る車両は被告の車と同一とは言えないとした。妻との関係も悪くなく、動機がないとも主張した。「直接的な証拠がなく、間接証拠も被告が犯人だと証明するものではない」として、裁判員に「無罪推定の原則から、公平、中立的な判断をしてほしい」と訴えた。

 丸山被告は当時、自民党県議団に所属する2期目の現職県議で、逮捕後に自民党県連から除名された。

 裁判は11月26日に結審し、判決は12月23日に言い渡される予定。(菅沼遼)

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