糖尿病薬を使って老化細胞を除去する臨床研究計画について、順天堂大などのチームが15日、学内の倫理委員会に申請したことが大学への取材で分かった。老化細胞を薬で取り除く臨床研究は国内初で、チームは来年4月ごろの投与開始を目指す。  細胞は加齢やストレスにより染色体が傷つくと細胞分裂できなくなる。ほとんどは自然に除去されるが、一部は組織に蓄積し、炎症を起こしてがんや生活習慣病などの発症につながるとされる。  チームは糖質を尿に排出させる働きがある糖尿病治療薬「SGLT2阻害薬」に着目。65歳以上の糖尿病や腎不全などの患者50人に同薬を投与するグループと投与しないグループに分け、老化の指標となる遺伝子制御機能の状態や認知機能の変化を調べる。  抗がん剤でも老化細胞を除去する効果が確認されているが、SGLT2阻害薬は副作用が少ないことが期待される。順天堂大の南野徹教授(循環器内科)は「安全性を確かめながら研究を進め、健康寿命の延伸を目標に認知機能やフレイル(虚弱)の改善効果を期待したい」と話している。


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