元日の能登半島地震や9月の豪雨の影響で休講していた石川県立輪島漆芸技術研修所(輪島市)が7日、約9カ月ぶりに授業を再開した。当初は10月1日に再開予定だったが、大雨の影響で再び延期していた。
小森邦博所長は授業再開に先立つ式典で「(地震発生後の)約280日という時間を埋めて、自然と手が動くくらい仕事としっかり向き合えるようになってほしい。自分の選んだ道を真っすぐに進んでほしい」とあいさつした。
生徒たちは式典後、それぞれの教室で汚れた机を雑巾がけしたり、自分の道具や作品の確認作業をしたりした。北海道豊浦町出身の小川晃史さん(32)は「久しぶりに道具を触り、これからようやく再開できるんだと実感がわいた」と喜んだ。
富山市出身の石原織衣さん(29)も「授業を頑張り、見た人が感動する作品を作れる作家になりたい」と意気込みを語った。
研修所は、重要無形文化財保持者(人間国宝)らが講師を務め、輪島塗の専門技術を学ぶことができる。担当者によると、在校生約20人の授業は11月末までで、12月に進級。15人の新入生の授業は12月から始まるという。
研修所は、地震で多くの生徒が市を離れたことや建物の亀裂、断水などにより休講していた。9月の豪雨では、大きな施設被害はなかったが複数の講師が被災した。〔共同〕
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