新潟県の東京電力柏崎刈羽原発から使用済み核燃料が青森県むつ市の中間貯蔵施設へ搬出されたことについて、地元の新潟県では24日、再稼働への前進との受け止めが広がった。一方、市民団体などが抗議活動を展開。受け入れ側の青森県でも反発が強まった。  同原発の核燃料貯蔵率の引き下げは、立地する柏崎市の桜井雅浩市長が再稼働に同意する前提の一つとしていた。桜井氏は取材に「核燃料サイクルが動き始めた。約束を東電が誠実に履行し始めている」と評価した。  地元には、IDカード不正利用や侵入検知設備の故障などの不祥事を繰り返した東電への不信感が根強い。柏崎市の住民男性(73)は「東電には事業者としての適格性がない。そんな事業者が再稼働に動き出すのは不安だ」とこぼした。  原発近くの海岸では、複数の市民団体が共同で抗議集会を開き、約50人が「核のごみを持ち出すな」と訴えた。県内の複数の団体も連名で搬出に反対する声明を発表。「搬出は貯蔵場所を変えるだけで、使用済み核燃料が抱えるリスクの拡散だ」と批判した。


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