東京・明治神宮外苑の再開発計画を巡り、日本イコモス国内委員会は24日、今月9日に事業者が発表した見直し案では樹木保全への対策が「不十分」として、都や事業者との議論を求める要望書を小池百合子知事宛てに提出した。事業者は「4列のイチョウ並木」の保全を約束するが、「現時点で衰退が進んでいる」と懸念を示した。

模型を使いながら明治神宮再開発計画への懸念を語る日本イコモスの石川幹子理事=東京都庁で

◆事業者や都と議論する場を要望

 見直し案では伐採本数を当初から124本削減。現在のラグビー場の場所に建て替える神宮球場と隣接する4列のイチョウ並木との距離は当初より10メートル広げて約18メートルにし、保全を図るとしている。  都庁で記者会見した日本イコモスの石川幹子理事は「(一昨年5月に)都知事が要請した『緑の質』への検討が欠落している」と見直し案を批判。特にイチョウ並木はすでに活力が落ちている上、再開発で高層ビル2棟が建つことによる気温上昇のリスクが抜け落ちていると指摘。都の環境影響評価審議会への参加や、現地での公開討論会の開催などを求めた。

明治神宮外苑地区のイチョウ並木=2024年1月、佐藤哲紀撮影

 都環境局は取材に「審議会にも専門家がおり、知見を得ている」と話し、要望には応じない方針。(原田遼) 

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