福島第一原発の1号機から3号機では、2011年3月の事故で溶け落ちた核燃料と周囲の構造物が混ざり合った核燃料デブリが合わせておよそ880トンあると推定され、極めて強い放射線を出し続け容易に近づけないことから、その取り出しは「廃炉最大の難関」とされています。
東京電力は先月22日に、事故後初めてとなる試験的な取り出しに、2号機で着手する計画でしたが、当日の準備作業で取り出し装置を格納容器内に押し込むためのパイプが誤った順番で並べられているミスが見つかり、直前で延期されました。
9日までに再発防止策をとったうえで、準備に問題がないことが確認できたということで、10日午前中に、格納容器の内部に向けて装置を押し込む作業を再開し、改めて取り出しに着手する計画です。
計画では、細いパイプ状の装置の先端からケーブルで下ろした器具で格納容器の底にあるデブリを数グラムつかみ回収することになっていて、作業はほとんどが遠隔操作で行われることから、完了までには、順調に進んでも2週間程度かかるとしています。
政府や東京電力は、試験的な取り出しで得られる核燃料デブリの性質や状態などのデータは、本格的な取り出し工法の検討など、今後の廃炉を進めるうえで欠かせないとしていて、成否が注目されます。
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