【動画】能登半島地震で被害を受けた中屋トンネルの中に設置された「小さなトンネル」=金居達朗撮影

 能登半島地震の被害を受け、通行止めとなっている中屋トンネル(石川県輪島市)の中に「小さなトンネル」をつくる復旧工事が進んでいる。今月末には「小さなトンネル」を使った、住民の車や緊急車両の片側交互通行を開始する。

 工事を管轄する国土交通省能登復興事務所によると、中屋トンネルは石川県内の主要道路である国道249号の輪島市門前町にある長さ約1・3キロ。地震で天井や壁が崩落し、道路にも亀裂が入ったため通行止めとなっていた。

 住民らは迂回(うかい)路の旧道を使っていたが、同事務所は工事を進めながら通行を可能にしようと、幅4メートル、高さ4メートルの「鋼製プロテクター」を計6カ所、計約300メートルに設置。外側で壁や天井の補修を進め、内側で自動車の片側通行を可能にする。同省は年内の全面開通を目指しているという。

 中屋トンネルの工区を担当する同事務所の山本貴司さんは、「中越地震の際にも用いられた技術だが、普通の工事で使うことはない。それほどの被害だったことが思い起こされる」と話す。

 工事を手掛けるのはダムやビルを施工する「安藤ハザマ」(東京都港区)。担当者の戸田皓さんによると、約100人の作業員が昼夜問わず作業を続けているという。「復旧のため、とにかく急いで作業しなければならないが、安全面も保証しなければならない。設計や工事を同時並行で進めるのは難しかったが、ようやく片側が通行でき、ほっとしている」(金居達朗)

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。