中国軍の情報収集機が長崎県の男女群島沖を飛行し、中国の軍用機として初めてとなる日本領空侵犯が確認された問題に関し、日本政府は27日、東シナ海での活動強化の一環だった可能性があるとみて、約2分間にわたる侵犯の前後の詳しい行動ルートなどの分析を進めた。林芳正官房長官や木原稔防衛相は記者会見で「主権の重大な侵害」との認識を表明し、厳重抗議と再発防止を要求したと強調。分析結果を踏まえ、両国関係への影響を判断する方針だ。
海洋進出を進める中国は、小さな動きを積み重ね圧力を強める「サラミ戦術」を取っているとされる。東シナ海南方の沖縄県・尖閣諸島周辺では中国海警局の船舶が領海侵入を繰り返す。領空侵犯があった九州西方でも、中国軍の艦艇や無人機、航空機の活動がたびたび確認されてきた。
今回、侵犯が確認されたのは中国空軍の機体で、政府はこうした背景も踏まえ、領空侵犯が中国側の活動強化につながる動きである可能性もあるとみて、意図や目的を慎重に見極めている。
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