記録的な大雨で福岡、大分両県で関連死を含めて40人が亡くなり、2人が行方不明となった2017年の九州北部豪雨から、5日で7年を迎えた。

 死者、行方不明者が35人に及んだ福岡県朝倉市では夜に、犠牲者を悼む42個の紙灯籠(とうろう)が筑後川のほとりでともされた。企画した、まちの復興に携わる同市の平川文(ぶん)さん(45)は「災害はつらい出来事だったが、少しずつ復興してきた。故郷を活気づけたい」と話した。

 市では国による災害復旧事業が昨年7月に完了。事業費600億円が投じられ、砂防ダム30基と長さ計14キロの川の護岸整備がなされ、橋20本が架け替えられた。ただ、基幹産業の農業では、農地の区画整理事業は被災した206ヘクタールの4割しか終わっていない。

 被害が大きかった地域では、住まいや生業を失った人の転出が顕著で、これまでに三つの集落がなくなった。(池田良)

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