最高裁判所
新型コロナウイルスの感染者が立ち寄ったラーメン店名を徳島県が公表したことの妥当性が争われた訴訟で、最高裁第3小法廷(今崎幸彦裁判長)は、ラーメン店側の上告を退ける決定をした。26日付。公表した県の措置を適法とし、店側の賠償請求を棄却した一、二審判決が確定した。裁判官4人中3人の多数意見で、学者出身の宇賀克也裁判官は上告を受理すべきだとの反対意見を付けた。 県は2020年7月、同県のラーメン店で飲食した客1人の感染が判明したとして、感染症法に基づいて店名を公表した。同店の経営会社など2社は「店名を公表されて信用を傷つけられた」などとして21年2月、県に計1100万円の損害賠償を求めて提訴した。 23年1月の一審徳島地裁判決は、居合わせた不特定多数の客への感染拡大が疑われる状況で、注意喚起のため店名を公表する必要性は高かったと指摘。店側が公表に同意したとは言えないものの、公表の目的が感染の拡大防止だったことは明らかで「必要性や緊急性が認められ、公表が違法とは言えない」とした。同7月の二審高松高裁判決も支持した。
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。