【動画】那須どうぶつ王国(栃木県那須町)でホッキョクオオカミの赤ちゃん誕生=那須どうぶつ王国提供

 希少種の保全に取り組む那須どうぶつ王国(栃木県那須町)で絶滅危惧種のホッキョクオオカミが2頭生まれた。園によると、国内の動物園での誕生は初めて。一般公開は7月下旬の予定だという。

 2頭は雄と雌で、5月16日、2020年に欧州の動物園から受け入れた5歳の雄「アザリー」と8歳の雌「シンラ」の間に生まれた。シンラは初産だが、出産時から飼育員らの介助を必要とせず、2頭の体をなめたり授乳したりしたという。

 飼育員の松本未咲さん(27)によると、2頭は「仲良く、互いの上に乗ってよく遊んでいる」。6月2日は体長がともに約20センチで、体重は約1500グラムと約1350グラムだったが、20日後は体長が約40センチ、体重は約3910グラムと約3010グラムになった。成獣は体長1メートル前後、体重40キロ~70キロになるという。厳寒の中でも体温を保てるように、鼻口(びこう)部が短く、耳も小さいのが特徴だ。

 園が受け入れた当時、ホッキョクオオカミの飼育は国内唯一だった。現在は秋田市でも展示されている。

 園の展示場は約500平方メートル。生息地の北極圏の森に近づけるため、ヒマラヤスギやモミなどの針葉樹、岩場や滝、池がある。冬は雪の中で過ごせる。

 繁殖の成功に、松本さんは「4年の月日が経ち、感慨深く本当にうれしい」。両親は全身が白色の毛に覆われているが、2頭は茶色だ。「親とはまったく違う見た目なのを見ていただきたい」(小野智美)

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