札幌市西区の市道で昨年11月、走行中の軽乗用車からタイヤが外れ、歩道にいた女児(4)に直撃した事故で、北海道警は20日、車の所有者で元塗装業田中正満容疑者(50)=自称北海道江別市=を自動車運転死傷処罰法違反(過失運転致傷)の疑いで逮捕し、発表した。

 この事故で道警は、車を運転していた札幌市西区の若本豊嗣(とよし)容疑者(50)を同容疑で現行犯逮捕=処分保留で釈放=していた。道警によると、運転者以外を同容疑で立件するのは全国初とみられる。当時、車のタイヤのナットが十分に締められていなかったという。女児はいまも意識不明の重体。

 逮捕容疑は昨年11月14日、若本容疑者が軽乗用車を運転する前に点検を行う共同の注意義務があったのに怠り、タイヤが外れ女児に大けがを負わせる事故を起こしたというもの。

 2人は友人で、田中容疑者は事故前に車の不調に気づき、「おかしいと思って若本に(車の)調子をみてくれと頼んだ。点検自体を任せていた」という趣旨の説明をしているという。車は改造されていた。

 若本容疑者は自動車整備士などの資格は持っていなかった。

 道警は同日、2人を道路運送車両法違反(不正改造の禁止)容疑でも逮捕した。2人は事故の約2週間前に、事故車のタイヤを車幅からはみださせる改造を行った疑いがある。田中容疑者が若本容疑者に改造を依頼したとみられるという。

 女児の父親は報道各社に取材の自粛を求め、「保険会社などによる救済もまだない状態で、必死に生活を立て直そうとしています。どうか静かに見守ってください」とするコメントを出した。(新谷千布美)

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