能登半島地震で被災した道路や堤防の復旧をめぐり、石川県内で対象と見込まれる8122カ所のうち、国の査定が完了したのが5月末時点で1267カ所(16%)にとどまることがわかった。県議会予算委員会で17日、県が明らかにした。

 県土木部によると、2月から段階的に査定が始まった。完了した16%で査定額は817億円にのぼるという。一方、熊本県によると、2016年の熊本地震とその後の大雨災害では約7カ月で査定が完了し、計約900億円だった。

 本格復旧には国の予算措置が必要で、現場の査定はその前提になる。現状から、被害の大きさが改めて浮き彫りになるとともに、査定に相当の時間を要することで本格復旧工事が大きく遅れる恐れがある。県によると人員確保に苦労し、道路の損壊もひどく、作業が進まないという。

 予算委では、県議から「全然やんけ」という声も漏れた。馳浩知事は議会後の取材に「私も『16%?』というのが正直なところ。発災した箇所が多岐にわたり、調査に行くための道路も破損している。行けども行けどもたどり着かない。何千カ所もあるわけでやむをえないのかなあと思う」と述べた。「この数値が一つの残念感、あきらめ感につながらないよう、さらに(査定を)加速していただけるように、公共事業を請け負う業者の調整などの加速化をしたい」(土井良典)

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