俳優を目指す女性に演技指導の名目で性的暴行を加えたとして、準強姦(ごうかん)の罪に問われた映画監督の榊(さかき)英雄被告(53)は29日、東京地裁での初公判で、認否について「保留します」と述べた。

 起訴状によると、榊被告は2015年3月、東京都内のマンションの一室で、自身が監督する映画への出演が内定していた当時20代の女性に、演技指導と誤解させて性的暴行を加えたとされる。

 検察側は冒頭陳述で、被告が性的行為をビデオカメラで撮影して演技指導を装っていたと指摘。「役を降ろされたくない」と考えた女性は、稽古の一環と捉えるようにしたが、別の女性への被告の行動などが報道され、自身の性的被害を認識するようになったと説明した。

 被告は別の女性2人に対する準強姦容疑でも警視庁に逮捕された。

 被告をめぐっては週刊文春が22年、俳優らが「性行為を強要された」などとする証言を報道。被告が監督を務め性被害を描いた映画「蜜月」の公開が中止された。(金子和史)

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