「好きな人と結婚したかった」「自分で人生を決めたかった」―。旧優生保護法を巡る上告審弁論で29日、全国から集った原告らは最高裁の大法廷で悲痛な思いや国への怒りを自ら語り、傍聴席からはすすり泣きが漏れた。原告らは国の責任と同法の違憲性を認めるよう求め、「全員救済の判決を」と訴えた。 午前、原告らは青空の下で「国は謝罪と補償を」と書かれた横断幕を手に、最高裁正門へ毅然と歩を進めた。傍聴券を求めて障害のある人と支援者が列をなし、裁判所職員らが手話通訳者を介したり、案内板を読み上げたりして対応。訴訟概要を説明した資料の点字版も初めて用意された。 「大事な判決なので傍聴に来た」。脳性まひで車いすを利用する東京都の鈴木敬治さん(72)はそう話し「同じことが二度と起こらないために、障害当事者とともに差別の問題を考えなければいけない」と力を込めた。 弁論で、札幌市の小島喜久夫さん(82)は幼少期から差別に苦しみ無理やり入院させられた精神科病院で手術を受けたと説明した。
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