恋愛感情を悪用して現金をだまし取る「ロマンス詐欺」の被害金を回収するとうたい、他人に弁護士名義を貸して法律事務をさせたなどとして、大阪地検特捜部は29日、大阪市北区の「G&C債権回収法律事務所」の川口正輝(まさき)容疑者(38)=大阪弁護士会所属=を弁護士法違反(非弁提携)の疑いで逮捕し、発表した。
特捜部は報酬目的で法律事務をしたとして、いずれも会社役員の井田徹容疑者(39)=横浜市保土ケ谷区=、鈴木義守容疑者(47)=川崎市幸区=、作道美稚代容疑者(38)=大阪市浪速区=、井川敬太容疑者(40)=埼玉県入間市=の4人も同法違反(非弁活動)の疑いで逮捕した。いずれも認否は明らかにしていない。
発表によると、4人は2022年12月14日ごろ~23年7月30日ごろ、横浜市内で、川口容疑者の事務所の広告を見たロマンス詐欺被害者ら17人に電話やLINEなどで法的な助言をし、着手金計約1811万円を受け取った疑いを持たれている。特捜部は、川口容疑者が弁護士名義を貸したとしている。
大阪弁護士会は23年10月、同会綱紀委員会に川口容疑者の懲戒請求をしている。1800人超のロマンス詐欺被害者らからの相談を広告会社が派遣した事務員らに対応させ、計約9億円の着手金を受け取っていたという。特捜部は今年2月に法律事務所を家宅捜索し、捜査を進めていた。
川口容疑者はこれまでの朝日新聞の取材に対し、「取材は断っている」と話している。(堀之内健史、戸田和敬)
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