小林製薬(大阪市)の紅麴(こうじ)サプリメントを摂取した後に健康被害が相次いだ問題で、大阪市は29日、市が回収命令を出している3製品について、前日時点で約15万8千個を回収したと発表した。あわせて、回収の見込み数を約100万個から約19万個に修正したと説明。このため、約8割が回収済みだとした。

 29日に開かれた市の対策本部会議で報告された。会議では、小林製薬の報告として現時点で回収の見通しが立つ商品は、未販売だった在庫品約10万個や店頭販売された製品約5万個など、計19万1千個とした。これを回収の目標数として、「回収の最終到達は9月くらい」との見通しが示された。

 当初、市は商品の出荷数量として約100万個という数字を示していたが、横山英幸市長は同日、「製品が販売されてから4年間経っており、(差分は)すでに服用されている、もしくは廃棄されていると考えている。(約19万個は)根拠を持った数字だ」と述べた。

 一連の健康被害の原因究明では、厚生労働省が28日、原料をつくる前の段階にあたる紅麴菌の培養過程で、工場内の青カビが混入したとの見方を示している。

 29日の市の会議では、4月に市が原料を製造していた大阪工場でふきとり検査をしたと説明。その結果、工場内の培養室など5室6カ所から青カビが確認されたことを明らかにした。横山市長は「(工場での製造)当時、青カビが生成していた可能性がある」としつつも、「青カビが何らかの形で混入したかどうかまで断定できるものではない」と述べた。(原田達矢)

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