25日、サンピエトロ大聖堂から手を振るローマ教皇(バチカン)=ロイター

【ローマ=共同】ローマ教皇フランシスコは24日、キリスト教カトリックの総本山バチカンのサンピエトロ大聖堂にある「聖年の扉」を開き、信者らの過ちに許しを与える「聖年」が開幕した。2026年1月6日までの期間中、世界中の信者ら3千万人以上がローマとバチカンを訪れる見通し。

教皇は25日、サンピエトロ広場を見下ろすバルコニーで、恒例のクリスマスメッセージを読み上げた。戦争が続くウクライナと中東について「対話への扉」を開くよう訴え「武器の音が静まるように」と平和実現を願った。

教皇は24日夜、車いすでサンピエトロ大聖堂にある青銅製の扉の前に移動し、片手でノックした後に扉が開いた。最初に教皇がゆっくりと通り、聖職者らが続いた。イタリアのメローニ首相も参列した。

扉の開放後にクリスマスイブのミサを執り行い、教皇は「今夜、希望の扉が世界に開かれた。戦争や暴力で荒廃した場所に希望をもたらそう」と聴衆に語りかけた。

聖年の扉の場所をくぐると罪が清められるとされ、25年1月上旬までにローマにある他の3つの大聖堂の扉も順次開放する。

聖年は1300年に始まったとされる伝統で、おおむね25年ごとに行われる。教皇が特別に宣言する場合もあり、2015年12月〜16年11月が「いつくしみの特別聖年」とされた。

ドイツで今月20日に起きたクリスマスマーケット(市場)への襲撃事件を受け、イタリア政府などはサンピエトロ大聖堂周辺の警備を強化した。

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