日本の外務大臣としては、去年4月以来、1年8か月ぶりに中国を訪れた岩屋外務大臣は日本時間の昼すぎから王毅外相と対面では初めての会談に臨んでいます。

冒頭、岩屋大臣は「課題と懸案を減らし、協力と連携を増やす一歩を記し、日中関係が発展してよかったと両国国民が思えるような関係を、ぜひ構築したい。地域と国際社会の平和と繁栄を求めて、ともに責任を果たしていくことが重要で『戦略的互恵関係』という考え方は、そこに要諦がある」と述べました。

王毅外相は会談の冒頭、「中国と日本は隣国で、両国関係の意義は2国間を超えている。関係が安定すれば、アジアはさらに安定する。アジアが安定することで世界でより重要な役割を果たすことになる」と述べました。

その上で「中国は日本とともに戦略的互恵関係の正しい位置づけを堅持し、協力のパートナーとして互いに脅威を与えないという重要な共通認識を守ることを望む。両国関係を正しい軌道に沿って健全かつ安定的に発展させていく」と述べ両国関係を安定させることの重要性を強調しました。

会談で、両外相は、建設的で安定的な日中関係の構築に向けた対応に加え、王毅外相による日本訪問の時期をめぐって、意見を交わしているものとみられます。

また、岩屋大臣は、日本産水産物の早期の輸入再開や、現地の日本人の安全確保など、両国間の懸案について、日本の立場を伝えるとともに、ロシアと軍事協力を進める北朝鮮情勢などに関しても、協議しているものとみられます。

午前中は李強首相と会談

岩屋外務大臣は25日午前、李強首相と会談しました。建設的で安定的な関係の構築に向けて、あらゆるレベルで意思疎通をいっそう強化していく重要性を確認したものとみられます。

李強首相との会談の冒頭、岩屋外務大臣は、国際会議にあわせて、先月にかけて行われた石破総理大臣と習近平国家主席との首脳会談などに触れ「日中関係は極めて重要で、『戦略的互恵関係』を包括的に進めていこうと、確認をされたところだ。ぜひ双方がその方向に向かって、日中関係を前進させたいと思っている」と述べました。

李強首相は会談の冒頭「中国は日本とともに協力を強化し、両国の関係の持続的かつ安定した発展を促進したい」と述べました。

その上で「新しい年に両国の関係に新たな状況が生まれ、協力や対話を通じて各分野でより友好的な交流が進み、より多くの成果を生み出すことを期待している」と述べ、来年、日本側との対話をさらに深め、関係の安定化を進めたい考えを示しました。

会談の詳しい内容は明らかになっていませんが、建設的で安定的な日中関係の構築に向けて、あらゆるレベルで意思疎通をいっそう強化していく重要性を確認したものとみられます。

林官房長官「率直で突っ込んだ意見交換を」

林官房長官は記者会見で「中国との関係は日本にとって重要な二国間関係の一つだ。先月には、石破総理大臣と習近平国家主席の間で、幅広い分野で意思疎通をいっそう強化し、課題と懸案を減らし、協力と連携を増やしていくために互いに努力することを確認した。外相会談でも率直かつ突っ込んだ意見交換が行われるものと考えている」と述べました。

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