【ベツレヘム、イスタンブール=共同】イエス・キリスト生誕の地とされるヨルダン川西岸のパレスチナ自治区ベツレヘムにある聖カテリナ教会で、24日深夜から25日にかけて恒例のクリスマスミサが開かれた。自治区ガザで戦闘が続く中、訪れた人たちは「早く停戦してほしい」と平和を願った。政権が崩壊したシリアでも、多くの信者が教会で祈りをささげた。
聖カテリナ教会では、過去に教会前の広場を飾った巨大なクリスマスツリーは昨年に続き今年も飾られず、観光客の姿もまばら。フィリピン人の友人3人と訪れたジョイ・ハングアンさん(39)は「戦争の影響をここでも感じて悲しい。早く停戦して、多くの人にパレスチナを訪れてほしい」と話した。
教会近くで100年以上続く土産物屋の店主ジョセフ・ジャカマンさん(66)は、客が来ないため店を早く閉めた。「どうすることもできない。耐える時だ」と語った。
一方、アサド政権崩壊後、初のクリスマスを迎えるシリアの首都ダマスカスでも、教会に多くの信者が集まった。暫定政府はイスラム教スンニ派が主導しており、キリスト教徒は少数派。中部ハマ県では屋外のクリスマスツリーが放火される事件も起きた。
ミサを終えたカトリック教会のハイク神父(76)は電話取材に「不安で心配だ」と心情を吐露した。既にキリスト教徒の代表者らが暫定政府に懸念を伝えたと明らかにし「宗教に関係なく、シリア人全ての人権を保障してほしい」と訴えた。
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