ウォール街

【NQNニューヨーク=戸部実華】19日の米株式市場でダウ工業株30種平均は11営業日ぶりに反発し、15時現在は前日比153ドル69セント高の4万2480ドル56セントで推移している。米連邦準備理事会(FRB)が追加利下げに慎重になるとの見方が広がり、前日に1123ドル下げていた。相場の短期的な過熱感が薄れ、主力株の一角に自律反発を期待した買いが入っている。

FRBは18日まで開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げを決めたものの、参加者の政策金利見通しでは2025年は中央値で0.25%の利下げ2回分を示し、前回9月時点の4回から半減した。パウエルFRB議長は記者会見で、インフレが高止まりするなかで今後の政策調整を慎重に進める姿勢を鮮明にした。これを受け、ダウ平均は50年ぶりとなる10日続落を記録し、同期間の下げ幅は2600ドルを超えていた。

19日はハイテクや金融、景気敏感株を中心に見直し買いが入っている。パウエル議長の記者会見は金融緩和に消極的なタカ派色だったが、19日の市場では「足元の経済成長やインフレの上振れを踏まえると驚きはなく、ファンダメンタルズ(基礎的条件)が大きく変わったわけではない」(ボケ・キャピタル・パートナーズのキム・フォレスト氏)との声も聞かれた。

ダウ平均は上げ幅が一時460ドルに達したが、主力銘柄への買いが一巡した後は伸び悩んでいる。米長期金利は上昇が続き、19日は前日比0.07%高い(債券価格は安い)4.59%と約7カ月ぶりの高水準を付ける場面があった。19日発表の7〜9月期の米実質国内総生産(GDP)確定値は前期比年率で3.1%増と改定値から上方修正され、週間の新規失業保険申請件数は市場予想より少なかった。堅調な経済や底堅い労働市場は来年の利下げペースの鈍化を正当化するとの受け止めもあった。

個別銘柄ではエヌビディアやアマゾン・ドット・コムが高い。ボーイングやアメリカン・エキスプレス、JPモルガン・チェースなども買われている。半面、シェブロンやホーム・デポは売られている。

ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は3日ぶりに反発している。

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