11月の中古住宅販売は前年実績を上回った(14日、ニューヨーク市)

【ニューヨーク=野一色遥花】全米不動産協会(NAR)が19日発表した11月の中古住宅販売件数は415万戸(季節調整済み、年率換算)となり、前年同月と比べ6.1%増えた。2021年6月以来、3年5カ月ぶりの上昇率となった。夏場のローン金利の低下が需要を喚起したが、足元では金利が再び上昇し、販売の重荷となるとの見方が強い。

販売件数は前月比では4.8%増だった。市場予想(前月比2.5%増)を上回った。販売価格(中央値)は前年同月比4.7%上昇の40万6100ドル(約6400万円)だった。販売件数も価格も調査対象の全米4地域で増加・上昇した。

ウェルズ・ファーゴの調査グループは「夏場に下がったローン金利が販売件数を押し上げた」と説明した上で「足元では米連邦準備理事会(FRB)が利下げを開始する前の水準近くにまでローン金利が再び上昇しており、今後の住宅市場に重荷となる」と分析する。

米連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)が19日発表した30年物固定住宅ローン金利は週平均で6.72%だった。5月につけた7.22%から9月に6%まで下がった後、再び上昇している。

中古住宅の在庫は足元の販売ペースを前提とすると133万戸だった。3.8カ月分の在庫がある状況だ。1年前の3.5カ月分よりは多いが、前月の4.2カ月分より減っており、「健全」とされる5〜6カ月分の水準には達していない。

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