フランスのマクロン大統領は、内閣不信任決議案の可決を受けて今月5日に辞職したバルニエ首相の後任に、ベテランの政治家で与党連合の一角を占める中道政党の党首のバイル氏を任命しました。

バイル氏は、1990年代に当時のシラク大統領のもとで閣僚を務めたこともある、73歳のベテラン政治家です。

マクロン大統領の与党は、ことし7月の議会下院の選挙で左派や極右政党に躍進を許して、多数派を握れないまま厳しい政権運営が続いていて、首相はことし3回替わる異例の事態となっています。

バイル氏は13日、フランス社会や政治にいくつもの深刻な分断が存在すると指摘した上で「和解こそが成功への唯一の道だ」と述べ、左派や右派に対して協力を呼びかけました。

バイル氏の起用について、左派や極右の政党からは「マクロン大統領のやり方の継続だ」という反発が出る一方、まずは状況を見守りたいという意見も出ています。

バイル氏は早速組閣に着手し、来年度の予算案の審議などを再開する見込みで、事態の打開につながるのか注目されます。

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