世界各地で拘束されている米国人の解放を訴える家族ら(23年、ワシントン)=AP

【ワシントン=共同】米ホワイトハウスは27日、中国で長期間不当に拘束されていた米国人3人が解放されたと発表した。3人は帰国し、近く家族の元に戻る。米政府が中国に解放を強く求めていた。来年1月に退任するバイデン大統領にとって外交成果となる。

米政府は中国側への見返りや、拘束者の身柄交換をしたのかどうかについて明らかにしていないが、ウォールストリート・ジャーナル紙は米国で禁錮20年の刑を言い渡され服役していた中国の情報機関職員と関係者の計2人が27日時点で釈放されていたと報じた。

バイデン氏は今月16日にアジア太平洋経済協力会議(APEC)が開かれたペルーで中国の習近平国家主席と会談した際にも米国人の解放を要求した。ブリンケン国務長官やサリバン大統領補佐官もそれぞれ中国側への働きかけを続けていた。

発表によると、解放されたのはマーク・スウィダンさん、カイ・リーさん、ジョン・リアンさんの3人。米メディアによると、スウィダンさんは麻薬関連の罪で死刑判決を受け、リーさんとリアンさんはそれぞれスパイ罪で服役していた。

来年1月に就任するトランプ次期大統領は世界各地で拘束されている米国人について「私が大統領になる前に解放しなければ、大きな代償を払うことになる」と警告していた。既に中国への追加関税を課すことも発表し、対中圧力を強める構えで、中国側は次期政権の出方をうかがっているとみられる。

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