アメリカ政府は10月13日、ガザ地区でのイスラエル軍の軍事作戦で人道状況への影響が懸念されるとして、改善を求める書簡を送り、30日以内に具体的な改善がみられない場合は、軍事支援を停止する可能性を示唆していました。

これについて、国務省のパテル副報道官は12日、記者会見で「一定の改善がみられた。アメリカの方針に変更はない」と述べ、イスラエルが支援物資を搬入する新たな検問所の開放などに取り組んだことを評価するとして軍事支援を停止する措置は行わない考えを示しました。

その上でガザ地区の状況について「人道的な危機が続いている。改善が長期的に継続することを望んでいる」と述べ、適切な取り組みが続かない場合、何らかの措置をとる可能性を強調しました。

一方、イスラエル軍の攻撃による犠牲者は増え続けていて、支援団体は12日に発表した報告書で「イスラエル軍は特にガザ地区北部の状況を劇的に悪化させる行動をとっている。1か月前よりもさらに悲惨な状況だ」として、イスラエル側の対応を批判しています。

国連 “イスラエル当局が人道支援遮断”

ガザ地区の人道状況についてOCHA=国連人道問題調整事務所のムスヤ事務次長補は、12日に開かれた国連の安全保障理事会で、「イスラエル当局はガザ地区北部への人道支援を遮断しており、およそ7万5000人が水や食料の不足に苦しんでいる。ガザ地区全域が人間の生存に適した状況にはない」と述べて改善は見られないという考えを示しました。さらにイスラエル軍に包囲された状況が続いているガザ地区北部のベイトハヌーンについて「きのうは食料や水が避難所に届いたが、きょうはイスラエル兵が同じ地域から人々を強制的に追い出した。包囲された人々は援助を受け取ったら標的にされるかもしれないと恐れている」と述べ、イスラエル軍の対応を批判しました。

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