【NQNニューヨーク=横内理恵】12日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3営業日ぶりに反落し、前日比382ドル15セント(0.86%)安の4万3910ドル98セントで終えた。次期トランプ政権での規制緩和や減税への期待から、ダウ平均は大統領選の翌日の6日から前日までに2000ドルあまり上げていた。短期的な過熱感から主力株の一角に利益確定や持ち高調整の売りが出た。

ダウ平均に加えて多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数やハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数も前日にかけて連日で最高値を更新していた。ダウ平均の構成銘柄ではないが、大統領選後の上昇が大きかったテスラは約6%下げた。

トランプ氏の勝利とともに連邦議会選で共和党が上院の多数派議席を獲得し、下院でも共和党が過半数を占める可能性が高まっている。大統領と上下両院すべてを共和党が制する「トリプルレッド」となれば、トランプ氏の掲げる政策が実現しやすくなる。規制緩和や現行の所得税減税の恒久化、法人税減税などへの期待は高い。一方、移民政策の強化や関税引き上げなどの米経済への影響を懸念する声もあった。

米債券市場で長期金利が前週末の4.30%から4.4%台に上昇(債券価格は下落)した。足元の米景気の底堅さに加え、次期トランプ政権の政策がインフレの再加速や財政赤字の拡大につながる可能性が意識されている。金利上昇で株式の相対的な割高感が強まることへの懸念も投資家心理の重荷だった。

ダウ平均ではアムジェンやボーイング、メルクなどが売られた。12日に四半期決算を発表したホーム・デポも安い。一方、アクティビスト(物言う株主)による株式取得が明らかになったハネウェル・インターナショナルが高い。エヌビディアやマイクロソフト、アマゾン・ドット・コムも上げた。

ナスダック指数は6営業日ぶりに反落した。前日比17.362ポイント(0.08%)安の1万9281.401で終えた。ブロードコムやアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)などが安い。一方、ネットフリックスが上昇した。

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